エムアイテイクは、オーディオライフを楽しむための提案とそのツールを提供する事を目的として設立しました。自らがそのプロセスと成果作りに参加することにより、より楽しみが深まって行きます。いい音は二昔前に言われた「HiFi=高忠実度]の追求だけでは満足する味わいのある音は得られません。人それぞれの育った環境・人生経験によって良さに対する尺度が違います。写真をやっているとよく分かるのですが「桜の花の色」や「女性の肌の色」等では「高忠実度」に撮った場合は「良い写真=好まれる写真」になれません。”この花はこうあるべき”とか”彼女の頬の色はこうあるべき”という強い思い入れと作品が合致したとき名作が生まれる可能性があります。ゲイジュツを目指す写真は報道写真と違って、シャッターチャンスだけでは生まれません。さらに対象物に対する深い思い入れがカメラマンには必要です。その思い入れにより・シャッターチャンス・撮影技術・道具のレベル・を乗り越え高次元の名作が生まれます。人間の五感のうちの、聴覚=オーディオ、視覚=写真を作品として仕上げるには技術・経験・そして対象への強い思い入れが必要となるわけです。”味覚、嗅覚、触覚”を生かした作品も作りも同じです。到達するための手段は人それぞれ違うでしょう。「金に物を言わせ最高級な物を揃える」というのもその人が他方面・多方面で培った蓄積を投入したと考えれば、その成果もあながち否定はできません。が、しかし趣味として最良なのはその「物作り」「システム構築」「作品作り」の過程にどれだけ自分が関われたかを時間で判断することも大事です。関わりの大小によって得られる満足感の大きさが違います。時間をかける・手間をかける・金もかける・そして愛情をかける。成果を出すためにはつらいこと、しんどいことをも耐え脳に汗して頑張ることが大事な事なのです。
 最近この「頑張る」という言葉が「嫌いだ」という人が多い。この言葉をかけられても励ましにもならないのだという。確かにぎりぎりまで頑張ってきた人にとって通りすがりにかけられる「がんばりな」の一言で片付いてしまうほどゆるい取り組みではないと言いたいのだろう。しかしそんなに肩肘張ることもないとおもうのだが。道ですれ違った顔見知りに「今日は良い天気ですね」と声をかける・声をかけられる。良い天気かどうかは見たら分かるのだ。しかし何も言わずにすれ違ってしまったとしたらきわめて後味の悪い思いをするだろう。差し障りのない時候の挨拶を交わせる間柄が大事なのであり、「頑張れ」も頑張っている人を見たら「頑張れ」と声をかけるのが当たり前なのだと。その当たり前を勘違いしないようにいきたいものである。
 作品作りに成果をあげるために誰もが平等に持っている資源があります。それは「時間」です。但し使い方は千差万別で、生きていくための種々の活動の中からどれだけ振り分けていくかはその人の価値観で決まります。生活レベルの最低限に対する価値観が高めの人は例えば、@1000円/100gの肉が最低限かもしれませんし、こだわらない人にとって@180円/100gで十分満足する人もいるわけで、それぞれがその生活の維持のためにも働いているわけです。そして作品作りにかける時間はその残り時間の中から割り振られて行きます。割り振った時間を有効に使うためには自分がどこに力点を置くのかという選択が重要です。オーディオシステムなら「システムコンポ」「バラ単品コンポ」「全て入りキット作成」「パーツキット作成」「参照自作」「設計自作」・・・最後には「素材レベル自作」まで行くでしょう。でもそこまで行くと到底人生80年では時間が足りません。
 ということで、エムアイテイクは納得した素材を生かす回路設計の検証済みのプリント基板やそれを生かすための材料を提供し、時間を有効に使うためのアイテムを提供できればと願っています。まずは思い入れの強いCD-ROMドライブコントローラからスタートです。音の入り口が全体を大きく左右します。素材が良ければ下流のシステム作りは楽しい物になります。DAC=>ラインアンプ=>メインアンプ=>しピーカーと作り込んで行くに従ってどんどん良くなっていくわけですから。ちなみに私の場合スピーカには自分の時間を割きません。ここには、JBL(D130+175DLH)とALTEC(804-G)に金を投資済みです。金の配分をここに置き時間は割かないと決めたからです。アンプの良さ、音源の良さがストレートに分かりますのでどのように配分すべきか迷っている人は予算の66.666%をスピーカにかけましょう。のこりの33.333%を核にあなたの知識・労力・時間でその価値を10倍にも増やすことができるのです。   嗚呼







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