WM8805を トコトン いじってみる
 WM8805は、ソフトモードで使うには面倒なコマンド操作を要すので
以前検討した際には、WM8805の使用を断念 した経緯があります。
(経緯の詳細は こちら)  ⇔  blogは こちら


ソフトモードの場合、初期設定しただけでは 192KHz入力は使えないとの
Wolfsonからの回答でしたので、「まぁ CS8416があることだし採用見送り 」 と
していたわけですが、その Wolfson を CirrusLogic が買収し、CS8416の後釜に
WM8805 を据えるという Cirrusの お達しが出ました。 



あらあら! CS8416が入手難になりそう!なので 改めて WM8805を検討する必要が出てきたようです。 そこで 192Khzまで使えるよう 色々やってみたのですが 色々とdatasheetには出てこない事実が判明してきました。
 *) 当方がdatasheetを正しく理解してない可能性があります。 各自 datasheet参照下さい。


(FACT その 1.)  SPDIF用 内蔵アンプが不安定
WM8805/ソフトモード用の基板は 前の がありますので それを使って検討したのですが デジタルらしからぬバラツキ挙動を示します。それは、192KHzでのSPDIF入力時のことです。 当然ですが WM8805内部のポストアンプを ONさせて使うわけですが、入力chによって 安定して動くchと 時々不安定(ロックが外れた時のようなパチパチノイズが出る) になります。


バラツキ確認 ⇒ 試作基板 3枚 作成


3枚基板を作って見たところ 不安定になる chが 基板毎に異なります。 はてはて、アナログ基板では 最適設計が出来てない場合、時として このようなバラツキある挙動に出くわすのですが ? ? ・ ・ ・   アースパターンやパスコンの位置などによっても 変化するようです。  内蔵ポストアンプが クリチカルなアナログ的動作をしているのではないかと思われます。  datasheetには特にコメント無いようですが ⇒内蔵ポストアンプ使えね〜!

  ⇒ Cirrusに質問したのですが 「無しのつぶて」 でぇすぅ

(FACT その 2.)  レジスタでは入力周波数判定出来ズ。エラーで判別
WM8805のレジスタから得られる クロック周波数が中途半端です。 44K〜192Khzまで対応するには レジスタを読んで PLLの設定を変えないといけないとの事です。 しかし、なんと [44or48K] [88or96K] [192K] [32K] の 4種類のみ。 176KHzを検出するには 一旦、エラーを出して検出しないと 何ともならない仕様(らしい)。 切替時にノイズが出る不安もあるのですが さすがにうまくいくようです。 この中途半端な 176KHz対応は 「手抜き設計では?」 と想像したくなる内容ですが、datasheetに 176K設定のやり方はでてますので 興味のある方は datasheet をお読みください。 これでもか!と寒心するほどパラメータがあるのに 肝心なモノが抜けてたりします。

色々やってみると 設定値自体は 192Kかそれ以外かの設定で OK ・・・ キモは 192K か 176Kか ? の判定らしいです。 この事実を掴むまで丸二日悩みました。 出来てしまえば、えっ ! と思うほどシンプルにできます。


(FACT その 3.)  価格が 高っかぁ
なんと、CS8416より価格が高くなっています。(DigiKey/Jul.2015現在) Wolfsonが 自前で出していた時に比べると 300%アップ!!   驚き桃の木山椒の木です 両社・固定費の違いでこの値差 ?


  ■ところで、Cirrus.jp のWEBから WM8804/05のdatasheet 消えました    〜 2015/7/11現在

 ぼろしぃ WM8805GEDS


 <結論>
 ・ SPDIF/同軸入力には 自前のバッファアンプ必須。  ⇒ CMOS mode必須!
 ・ 176KHzを使いたいなら エラーを見定めて判断する制御を要す
 ・ CS8416より値段高いのは 「性能が良いから」 と自己暗示すること


さてさて、結果からすると WM8804/DAI基板も同じ設計のICですから こちらもソフトモード対応する必要すべきと判明したわけで、基板再設計です。 
 wolfson & ciruus はこの事実を把握してるんだろうか ・ ・ ・ 余計な心配




ぼやき です
wolfson の IC設計者にはやりたいことが色々あって仕掛けを沢山作ったのでしょうが それをうまく整理できてないので 使う側にそれが伝わってきません

あれが出来ますぅ、 これも出来ますぅ

読みにくい datasheet とあわせ
とにも かくにも使いにくい ICです


 「 何でも出来るということは
何も出来ないことに等しい 」

これすなわち 他山の石
良い石(IC)ですよ。 ?


再設計の soft mode WM8804基板は こちら


WM8804 の出力を DIX9211 につなぐ こちら


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