Burr Brown ソフトモード DAC                             .
PCM1792/5/6/1 系DAC

Burr Brown の Advanced Segment シリーズ DACシリーズの中で、動作モードを外部のマイコンなどを使って設定する、「ソフトモード」 DACです。 PCM1794等の ハードモード DACとの違いは 「DSD対応」「電子ATT対応」 の対応になります。 従って DSD対応とするためには、PCM1792系を選んでおく必要があります。 基本的には、ソフトモード基板は、すべて同じ動作をします(音は違いますが)ので ここでの説明では、PCM1792を代表例としてとりあげております。



ソフトモード、ハードモードとも 1chipで動作する stereo 動作と、2chipで動作する mono 動作があります。 mono動作で Dレンジが 3dB アップします。

まずは、基本的な Stereo 動作版から 制御基板や DAI基板等を含め システム構成について説明します。 

Stereo Mode ブロック図

(概念図。 実際の回路とは異なります)


Stereoモード DAC基板例

PCM1792STD基板です。
DAC と IV変換 と Muting回路 を搭載した標準基板です。 販売している基板は、動作確認済みの完成基板と IV部をキット化した 半完成品版 があります。 こちら


Stereo Mode 動作の基板

 
    ◆ PCM1792STD/DAC基板 と 制御基板V2.3基板の
組み合わせの場合は 下記のとおりです。 
    ◆ WM8804付き制御回路基板の組み合わせ こちら


制御基板(左) と PCM1792STD基板(右)


 この組み合わせの場合、デジタル入力部をさらに追加します。
この制御基板は、Combo384と外付けの DAIとの組み合わせを前提としてますが、PCのグランドループを避けるために、アイソレートIC(Si8860)を搭載してますので、 Combo384 USB DDCの組合せが まずは お勧めです。 この組み合わせで、話題の ハイレゾDSDの再生が可能になります。 (アクリル板に基板を搭載してます)


Combo384とPCM792+制御基板の組み合わせ


この組み合わせで、PCからの DSD再生が可能になります。 動作を分かりやすくするために LCDをつないでますが、なくてもかまいません。 


上記に CS8416/DAI を追加


この組み合わせで、SPDIFの同軸と光端子からの入力が可能になります。 CDプレーヤーなどの デジタル出力が接続可能になります。


さらに、電源基板(DCDC電源)を追加


幅広いACアダプタ電源(9V〜24V)の入力電圧で ±15V と +5Vの出力が得られる電源基板(DCDC電源)を追加することにより、これで DACとしての基本セットが揃います。

ヤフオク出品中のセット (上記の基板セット)


サンネット電子製ケース入り(1)


      サンネット電子製ケース入り(2)



 PCM1792DAC基板には IV変換回路が搭載されてます。 
IV変換用のオペアンプには FET版の OPA2604が標準で搭載されてますので ジャズやロックなどに向く音作りがなされてます。 このオペアンプを 金属ケースのCAN型 LM49720 を使用したバージョンもありあり こちらは クラッシク音楽に向く音作りかと思います。
制御基板V2.3 の詳細は こちら .





   DAC基板 オペアンプ変更バージョン

 この基板では、IV変換回路のオペアンプを変えることによて音作りが可能になります。 標準では、OPA2604 FET版を搭載してます。 ジャズやロックに向く音作りかと思いますがクラッシック音楽でも濃厚な音が楽しめます。 なお、OPA2604は入手が難しくなってきてます。 (現在、秋月で入手可能ですがだいぶ高くなりました)

OPA2604付きDAC基板



音質傾向を SN感を上げたバージョンとして LME49720 CANバージョンとしたものと、高速オペアンプ (スルーレート300Vμ) を使用し解像感を挙げた LM6361 バージョンががあります。 ケースバイケースで選べます。 (もちろん後で差し替えても OKです  )

SN感を重視した
PCM1792 + LME49720 CAN バージョン



CANタイプは、表面の温度上昇が高くなるので
ヒートシンクを付けます。 もちろんなくてもいいんですが。

表面温度測定例



ヒートシンクを付けた状態


CANタイプのメリット
通称パッケージは TO-99と呼ばれます。 高信頼性を要求される軍事むけ、人工衛星向けなどに需要があり、かなり高価になりますが、一部の高級オペアンプに用意されてる場合があります。 LME49720クラスになると 今でも CANタイプがありあます。 CANタイプの良いところは 信頼性だけではなく 中のチップが プラスティックモールドなどと 密着してないため 圧迫されていません。 これは 音質などにも影響があるようで、試聴比較では 音が伸びのびした感じになります。 熱が 中にこもらず 良く発散するので安定した動作になります。 かなり高価ですが、ぜひ試してみたい 「CAN (キャン)タイプ」 です。





 トピックス
 
PCM1792を使用したDACとして、テクニクスのSU-R1 (\838,000)があります。 PCM1792 と LME49720の組み合わせで 使用されています。 PCM1792は、83万円のコントローラにも使用されるほど クオリィティが高いのです。


Techinics SU-R1




解像感を重視した
32bit DAC PCM1795 について

ソフトモードDACのラインアップに 32bit DAC があります。
「その音質たるや如何に」 と 興味あるところです。

試聴した音楽データが CDDA (44.1KHz/16bit) の場合、PCM1796 との音質的な差は無いような気がします。  が、

★ 96KHz/24bit  データ ファイルを再生した場合、余韻的/pp (pianissimo) 於いて 優位差があるように感じられます。  クラッシック系の音楽や弦の余韻などを楽しむ場合、メリットが感じられることでしょう。

これは、DACの内部演算時に 何bitで 計算しているかによると思われます。 つまり、CDDA/16bit の場合は、24bitの DACでも 8bitマージンがあるので 32bitのDACと比較しても 遜色ないように感じられるのですが、96KHz/24bit等の 所謂 ハイレゾ音源 を再生した場案は、24bit DACでは データ幅一杯なので、演算誤差が生じてしまいますが、32bit DACでは、8bitマージンがあり ビット落ち無く 演算ができるためと思われます。



超高速アンプの LM6361をIV変換回路に使用した例です。 解像感が ぐっと上がり 32bit DACの IV回路と 相性が良いようです。


PCM1795DAC + LM6361/IV 基板





・ LM6361は、スルーレート 300V/uS,  GB=50MHz の超高速オペアンプ
・ 1ch入りで Unity Gain Stable です。
・ ドンシャリ的な音質かと思いきや、結構繊細な音を聴かせます。
   高域が伸びたアンプは 爽やかな音質傾向になります。




 


WM8804付き制御基板 との
組み合わせの場合は 下記のとおりです。 


WM8804付き制御基板(左) と PCM1792STD基板(右)



WW8804付きの制御基板を用いた例です。
(DCDC電源基板とLCD付き)

PCM1792 + WM8804付き制御基板の組み合わせ


この組み合わせで、同軸x1と光入力x1のデジタル入力が可能です。 
ご使用の環境が PCM入力が標準の場合は、この組み合わせが お勧めです。


さらに次は、この組み合わせに Combo384 を追加し、PCオーディオも楽しめるようにしたバージョンです。

Combo384 + PCM1792 + WM8804付き制御基板の組み合わせ


この組み合わせで、Combo384により DSD対応となります。 当然、同軸x1 と 光入力x1 のデジタル入力は 切り替えで入力可能です。
また、Combo384 から PCM入力時には、WM8804経由(スレーブモード)で SPDIFに変換して 同軸出力が可能ですので PCからの出力を SPDIFに出力できます。
 WM8804付き制御基板の詳細は こちら .



これまでの例では、電源にDCDC基板を用いてますが、リニアタイプの電源を使用したい場合は、下記の準備があります。
type-STD2 の電源基板の詳細は こちら を参照ください。 


[15VA トランス] と [電源typeSTD2]




WM8804 + PCM1792STD x2使用の mono動作例


2枚のDAC基板を用いた mono動作 の詳細は こちら .





mono 基板


DACチップが 2chipで動作する mono 動作があります。
mono動作で Dレンジが 3dB アップします。

Mono Mode ブロック図

(概念図。 実際の回路とは異なります)

こちらの基板は、DAC chip が 2個載った基板で
IV回路は 外付けのタイプになります。

PCM1792W (mono基板)



PCM1792W基板を使って 組み合わせを考えると、下記のように 2通りの組み合わせが考えられます。 まずは、PC接続を優先した、制御基板V23基板 を使った例です。 この基板の特徴は 絶縁用ICの Si8860 を搭載してますので、PCとのアースループを気にしないで Combo384を接続できます。 
また SPDIF端子はありませんが、I2Sの切り替え回路がありますので CS8416/DAIを追加すれば、SPDIF入力も可能になります。

C384 + 制御基板V23 + PCM1792W + IV基板x2 + 差動Buffer 基板



IV基板には、OPA604 1chタイプのオペアンプを 6個 使用しています。 OPA604/2604は FETタイプのオペアンプで 音質的にリファレンスとして使用してますが、流通在庫が絞られてきて 入手が難しくなってますので、手軽に入手できる NE5534 を使用する バージョンもあります。



±15V +5V のリニア電源は 下記があります。
typeSTD2 の電源基板の詳細は こちら を参照ください。

[15VA トランス] と [電源typeSTD2]





こちらは、WM8804付き制御基板 を使った例です。
SPDIFの入力 (同軸、光  各1端子)が可能ですので Combo384 が無くても デジタル入力が可能です。 

WM8804 + PCM1792W + IV基板x2 + 差動Buffer 基板




上の組み合わせに Combo384 を追加した例です。







WM8804付き制御基板 と 1795Wパラ組合せ例です


 並列接続する場合は、相互干渉を避けるために 回路図のように 各電流出力にシリーズに抵抗を入れないといけません。  抵抗値は 15〜22Ω程度で良いようです。
 

この組合せは、Combo384 で ハイレゾ音源対応する際の Goot コストパフォーマンス狙いには もってこい! の組合せです。

WM8804/DAI を積んでいるので、同軸デジタル信号にも 対応可能なので、Combo384 の購入を先送りしても とりあえず同軸/光端子で 楽しめます。

早速 接続して、音を聞いてみましょう。
おぉ〜  さすが 2倍2倍

アナログ出力は、PCM1792並の 4.3Vrms となり 馬力感が ぐっと増してきます。
 パラ接続の詳細は こちら .


 


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